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こちらの記事では、在宅介護を行っている場合に知っておきたい「レスパイト入院」について解説します。どのような制度なのか、利用することによってどのようなメリットが得られるのかについてまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
「レスパイト」とは、「一時休止」や「休息」という意味を持つ言葉です。在宅介護を行っている場合、介護者である家族に精神的・身体的な負担がかかるため、日々の介護の中で疲労が蓄積されていることもあるでしょう。このような場合、頼るべき相手や方法がわからず無理をして、体調を崩してしまうケースもあります。
このように、介護者が疲れを感じた際に、一時的な入院により負担の軽減(息抜き)を目指す仕組みを「レスパイト入院」といいます。また、冠婚葬祭への参加や家族の急な病気や怪我、家族の出張や旅行など、さまざまな事情によって、一時的に在宅での介護が困難になる場合に利用できます。
ショートステイもレスパイト入院も、介護者の休息のための制度です。
ショートステイは、基本的に介護認定を受けている方が対象となります。それに対し、レスパイト入院は医療的ケアを必要としており、ショートステイの利用が困難な方が対象となります。例えば、人工呼吸器を装着している方や、胃ろうの方などが挙げられます。このようなケアを必要とする方は、施設によってはショートステイが利用できないことがありますが、病院でのレスパイト入院なら看護師が24時間常駐しているため、対応が可能となります。
レスパイト入院をした場合の費用は、通常の入院と同様に医療保険による請求が行われます。また、病院貸与の病衣や紙おむつなどについては実費相当分を負担することになります。
医療費については「高額医療費」や「自己負担限度額」など、それぞれの患者の年齢や所得、世帯状況によってさまざまな負担軽減措置が設けられていますので、あらかじめ関連する制度などの確認を行っておくと良いでしょう。
レスパイト入院には、介護者、要介護者の負担を軽減できるメリットがあります。
一時的に介護から離れることによって、介護者の疲労やストレスが軽減され、要介護者は入院することで日々の孤独感を解消することができます。休息を取らなければ疲労やストレスにより体調を崩してしまい、在宅介護の継続が難しくなる可能性も考えられるため、無理をせずにレスパイト入院を有効に活用することが大切です。
また、要介護者の中には「家族に介護をさせてしまい申し訳ない」などの思いを抱えて、精神的な負担を感じているケースもあります。そのような場合、介護サービスを利用することで「家族が休める」と感じ、要介護者も心を休められる点もメリットとして挙げられます。
このように、レスパイト入院を利用することは、介護者・介護を受ける人の双方にメリットをもたらすといえます。
レスパイト入院では、日常生活の介護に加えて、点滴や経管栄養、酸素管理などの医療的ケアを受けられます。また、必要に応じて身体機能回復や維持を目的としたリハビリテーションを受けられることもあります。
利用するにあたって介護度の基準は設けられていませんが、「病状が安定している」など医療ケアの面で受け入れの条件が決まっているケースもあります。また、一般的に1週間から2週間程度の入院期間となり、短期間の利用となります。