訪問診療のペインクリニックとは？診療内容を紹介

ペインクリニックの中には訪問診療を行っているところもあり、自宅で直接医師からのケアを受けられます。ここでは、そもそもペインクリニックとはどんな病気を扱うところなのか、どのような症状の場合に訪問診療を受けられるかなど、詳しく説明しています。特に慢性的な痛みに耐えている方がいらっしゃる際はぜひ参考なさってください。

訪問診療のペインクリニック

ペインクリニックとは

ペインクリニックとは痛みを専門的に治療するためのクリニックです。ペインクリニックの「pain」もまた英語で「痛み」のことを指します。

痛みの中には病名がわかっている場合もあれば、原因がはっきりしたい場合もありますが、ペインクリニックでは体におけるさまざまな痛みに対応しており、症状を総合的に診断・治療しています。

また、痛みが慢性的である場合には、患者は長期間にわたってつらさを覚えることになります。こうした慢性的な痛みが起こったとき、起こりそうなとき、体そのものだけでなく精神的な苦痛やストレスを和らげられるようサポートするのもペインクリニックの役割です。

ペインクリニックの対象になる病気

【痛みを伴う疾患】

• 帯状疱疹後神経痛
• 椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症などにより腰から下の足に継続する痛みがあるとき
• 四十肩・五十肩・肩関節周囲炎などの肩関節痛
• 閉塞性動脈硬化症・バージャー病などの末梢血流障害によって起こる痛み
• 片頭痛などの頭痛
• 三叉神経痛
• がんの痛み
• 脳梗塞のあとの痛み

【痛みではないもののつらい症状の疾患】

• 顔面神経麻痺
• 目の周囲がピクピクとけいれんする眼瞼痙攣
• 突発性難聴
• 花粉症

ペインクリニックの症状の例

ペインクリニックが対象としているのは次のような症状の方です。

• 首・手・ひじ・足・膝・背中・腰などに痛みがある
• 頭痛・目の奥の痛み
• 顏の痛み（三叉神経痛）・顏の麻痺（顔面神経麻痺）
• 肩の痛み・肩が上がらない
• 帯状疱疹による痛み
• 手術後の痛み　など

訪問診療のペインクリニック

訪問診療は患者本人の通院が難しい場合、医師や看護師が自宅や入居施設を直接訪れて医療行為を行うサービスです。
訪問診療は定期的であることが多く、医師がさまざまな診察・検査・投薬などを行います。また、体調についての相談や健康指導なども行われ、必要によっては訪問回数を増やしたり、緊急の際にも対応をしてもらうことができます。

ペインクリニックでもこのような訪問診療を行っているところがあります。各病院にもよりますが、痛みの緩和のため麻酔科専門医などが直接自宅や入居施設へと出向いてきてくれます。例えば足の痛みのために歩行困難であったり、ほかに疾患があって患者本人が通院できない場合にも利用することができます。

ペインクリニックの訪問診療でできるケア

ペインクリニックの訪問診療では、次のようなケアに対応しています。

• 医療用の麻薬性鎮痛薬オピオイドの服薬や自己調節鎮痛ポンプ（電動式PCAポンプ）による痛みの緩和
• 脊椎の中にある硬膜外腔に薬剤を注入し痛みや炎症を抑える硬膜外ブロック
• 痛みに関わる神経の周囲に局所麻酔薬を注射する末梢神経ブロック
• 首・肩こりの痛み緩和などのためのボトックス注射
• 人工呼吸器などの呼吸器管理
• 点滴注射
• 中心静脈栄養
• インスリン導入
• 自己血糖管理
• 尿カテーテル　など

※これらの検査・診療内容は一例であり、クリニックや病院によって内容は異なります。